ふと思い立ったので、これまで観た舞台の感想をちまちままとめていこうと思う。
虚言の城の王子
忘れもしない、私が初めて観た2.5次元舞台、忍たま乱太郎第4弾。
そのまま勢いで3弾再演のDVDを買い、どっぷり舞台に嵌ったあの公演。
その第4弾で潮江文次郎役を演じたのが渡辺和貴くんだった。
生の舞台を観たい、和貴くんがみたい!そう思い勢いでこの公演のチケットを取って一人上京。あとイラストが大好きだった東京幻想さんだというのもあった。
舞台に一人で行くのも初めてだし、オリジナルの舞台も知り合いの以外は初めてだし、とても緊張していったのを覚えている。
そういえばこのとき初めてファンレターというものも書いた気がする。
本当にこれ、すばらしい舞台だった。
数年前の舞台ですので、ガンガンネタバレするよ!
「闇と希望に満ちたオリジナルダークファンタジー」とあるように、かなり重たいシナリオだ。
でもね、ありがちな悲劇で終わらなくて、悲しくて切なくて世の中絶望することもいっぱいあるけど、それでもそれだけじゃないかもねって。
絶対それだけじゃないよ!って言いきってくれるような作品ではないけれど、それでもどこかに救いってあるんじゃないかなって、そっと光が射すようなそんな舞台だった。
現実と虚構の世界をいったりきたりする舞台のなかで、和貴くんは事故にあったまま意識の戻らない姉と、その横でそんな姉の現状を認めたくないような言動をする姉の恋人をみている弟で、その一方では虚構の世界で世界を幸せにしてあげる、脳内お花畑の王子様、という二役をしていた。
もうね、ギャップがすごい!
王子のときはあっぱらぱー!って感じで幸せで幸せでおそらく不幸を踏みつぶして生きているような王子様役。
弟のときは、姉は目を覚まさないし、婚約者はずっと姉と会話してるような言動するし、現実は辛くて自分だけがそれと向き合っているような気持ちになってる、悲劇の弟役。
当時の和貴くんのブログだったかに、確かめちゃくちゃ演じるのが難しかった?(だったか、辛かっただか)とか書いて気がしたんだけど…と気になったのでブログあさってきた。
虚言の城の王子|渡辺和貴オフィシャルブログ「K’z field」Powered by Ameba
さらっと書いてるけど、そのあとの放送だったかなあ、記憶がうろ覚えだけど、とにかく大変だったみたいなこと言ってたと思う。
でもそうだろうなって思った。
これ観た人なら共感してもらえると思うけど本当に役を切り替えるの大変だったと思う。
もちろん和貴くんだけじゃなくて、出てくる人の大半は現実と虚構をいったりきたりするんだけど、その描き方がとても上手だった。
私はこのあとも結構な回数、いろんな舞台を観にいったのだけれど、現実と虚構の世界をこんなにわかりやすく、そしてきれいに描いていたのはこの作品が一番だと思う。(あくまで私が観た中で)
いくつか色んな作品を観て、自分の好みとして、時系列があやふやで過去と未来がいったりきたりするようなものは苦手だという自覚があるのだけれど、これはまったくストレスなく観ることができた。
クライマックスにかけて、和貴王子が王子のマントと王冠を投げ捨てて、弟に戻る瞬間があるのだけど、鳥肌がたったのを覚えてる。
あの後ろ姿と雑に扱われたマントは忘れられない。
そして最後にちゃんと光が射したのが本当に良かった。
そんなことありえないだろwwwwって草を生やす人もいるだろう、でもこうだったらいいね、って思う人も大勢いると思う、そう思える舞台だった。
空想組曲vol.10 「虚言の城の王子」感想まとめ - Togetterまとめ
当時観た人の感想まとめ。
これもその場でいそいそDVD予約して帰った。
懐かしい、最近観てないし久しぶりに観ようかな。
公式サイトみたけれど、物販にももう流石にDVDないね。
舞台は一期一会。出会えたことに感謝しかない。そんな舞台だった。